歯軋り

不安症の個人セッション準備

不安症のワークショップへ」行って受講してから1か月。メンタルヘルスから連絡がきて、個人用セッションに行けることになった。

セッションが始まる前に、今までのことをまとめてみた。

いろいろと書き出してみて、じっくりと見てみることを始めたのは、このころだと思う。それまでは「どうしたらいいかわからない」なんてことがあるとは思っていなかった。「なんでみんなわからないとか言うのだろう?」と思っていた。でもこの問題が始まって以来、わからないことの連続だった。

◆これまでのこと◆

  1. ずっと家庭内で孤立していて、卒業まで待って自立
  2. 結婚して渡英してからも日本の洗脳が抜けず、イギリスに耐えられずつらい日々を送る
  3. 渡英後3年目に夫と大げんかをして、自分が悪かったことに気づく
  4. 自分がわからなくなり、カウンセリングに行き、いろんな問題を発見、親が原因と知る
  5. ヒプノセラピーを試すも、まだ十分でない
  6. 「毒親」という言葉に出会い、問題を詳しく知る
  7. 同僚や友人からCBT(認知行動療法)を聞き、試してみたいと思う

◆現状◆

  • 3歳のころから歯軋りをしている
  • 体がいつも緊張している(足の指を丸めている、首や口、肩に力が入っている)
  • 手の指の皮をむき続ける
  • 心配症でリラックスできない
  • 「親にいじめられてやり返すのに少しもダメージを与えられない」という悪夢を定期的に見る
  • のどが腫れて呼吸が苦しい感じがしてGPに行くも異常なし
  • 日常生活や少しのことで疲れて起き上がれなくなり会社を何度も休むが、血液検査でも異常なし
  • 人生が空っぽに感じる
  • すべきこと/人から期待されていることをしているだけで自分がない
  • 実家でされたことと同じことをされたり、当時と同じ状況に置かれるとパニクったり異常に反応してしまって普通に行動できない
  • 自分がわからない

◆日本の洗脳◆

  • 常に効率的でなければならない
  • 常に最小コストで最大結果を求めなければならない、自分も周りに対してそうでなければならない
  • 常に改良していかなければならない
  • 常にBetterやBestを求め続けなければならない
  • 常にすべての可能性を考えて準備してなければならない(これにより、常に今後のことを考えて生きていて、人生を生きていない)

◆カウンセリングでわかったこと◆

  • 人と自分の境界線がない
  • だから人といると疲れてしまって大変なので1人でいたい
  • 女性性の否定
  • 親から常にダメ出しをされて育ち、それが内在化してしまっている

◆ヒプノセラピーでわかったこと◆

  • 白か黒かしか考えられていない(世の中のほとんどはグレーでできているにもかかわらず)
  • 受け身姿勢と期待しているだけの自分
  • 子供の自分は常に我慢をしており、子供らしく自分の気持ちを一番に表現することがなかった
  • 常になにごとにも遠慮していた
  • 親がダメと言うのと自分も理由がわかるので、やってみたいことをやらないでいた
  • 夫が私を助けてくれている

◆どうしたいか、どうなりたいか◆

  • 歯軋りを治したい
  • 安心して暮らせるようになりたい
  • 安心して人と普通にコミュニケーションを取って生きていけるようになりたい

私のこの解毒の旅は、もともと「歯軋りを治したい」からスタートしている。日本にいるときに、歯軋りと神経痛で鍼灸師に通い始め、渡英してからも鍼灸師を見つけて診てもらったりしていたけれど、一向によくはならなかった。歯軋りは原因が特定されないもので、主にストレスからきていると考えられているとは聞いていた。

そこから夫との新生活、またイギリスでの新生活の中で問題が出てきて、これを解決しなければならなくなった。そしてその後、歯軋りとこの問題が同じところから来ていたのだということが判明する。

なので、ここで「歯軋りを治したい」と「安心して暮らしたい」が出てきているのは正しかった。一見まったく関係のないことのように思えるけれど、これこそが私の中の解毒すべき問題だった。安心して暮らせるようになることで、歯軋りが治る。このころもうすでにそこのつながりがなんとなくわかってきていた。

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リラックスするには

スピリチュアルリーディングの最後。

なにか聞きたいことはと言われたので、歯軋りについて聞いてみた。

うんうん、ストレスですね。「自分のことだけを考える時間」っていうのを作った方がいいです。
忍耐強く思っても、ご主人のことも自分でコントロールできないことなんですよ。
自分のリズムに合わないものを一生懸命コントロールしようと体がしてるから
ストレスたまってるんですよ。

大事なのは、まずね、毎日自分の好きな時間に好きなことを考える。
今、自分の趣味を見つけるっていう課題を与えられたわけじゃないですか。
だからそれをまず一生懸命探してみる。

あなたの性格上、頑張り屋さんだから、なんでも解決しようと思っちゃうわけ。
ご両親のことでも。だから物理的に離れざるを得なかったわけでしょ。
というのは、一緒にいるとどうしても影響を受けちゃうから。
でも、離れてもあなたは周りからの影響をどうしても受けちゃうんですよ。
自分で知らないうちに「なんでこんなことがわかんないの」って気になっちゃうわけ。

物理的に離れるのは第一段階だけど、それでもまだ苦しんでいるのは事実。これからは精神的に離れるという段階だ。親にしても、夫にしても、自分とは別の人間だ。私の思い通りにすることは不可能なのだ。でも、毒親育ちの私は特にそれを手放すことが困難だった。

まずは、「自分の時間」を作って、瞑想っていう大げさなことしなくてもいいんですけど、
寝る前に必ず、眠くならないように横にならずに、ベッドの脇でもソファでも座って。
バタバタして寝ないで少し落ち着いて、目を閉じて深呼吸して、呼吸に合わせて。

まず今日どんな楽しいことをしたか考える。これはおもしろかったなとか、おいしかったなとか。
その、自分がおもしろかった楽しかったっていう気持ちだけに集中してくださいね。
思い出してるうちに話がいろんな方に行っちゃうとよけい頭があれこれしちゃうから
そうなったときは「深呼吸」に戻る。

で、明日どんな楽しいことをしようか考える。
明日いろんなことやらなきゃいけないけど、「自分のためになにをしたいか」を考えるのね。
これができたらいいなーって、この本を読もうかなーって、明日はこれしてやろうって、
あっ楽しいなー、こうやってなにかやれると楽しいなーって。

自分が楽しいこと」「自分が楽しかったこと」を考える。

で、そのときに自分の気持ちでどういう風に体が反応していくかっていうのを、
呼吸に合わせたときと、楽しいことを考えたときの、自分の体の反応ね、それを見てみる。
で、自分のエネルギーね、今この辺がこってるな、ちょっと和らげてみようかなって、
自分とね、「自分の体と会話」してみてください。

どうもね、頭と体の波長が合ってないんですよ。だから、リズムを合わせる。
ちょっとやってみて。あまり歯軋りにこだわらずね。
「歯軋り止めなきゃいけない」って思わずにね。

まずは、「自分の体の自然のリズムに自分の頭を合わせてみる」っていう練習からしてみて。
寝る前に10分、しずかーに座ってみて。
それで慣れてきたら、自分の一番好きな、お気に入りの自然の場所をイメージしてみる。
この海辺がよかったなと思ったら、その海辺に自分を置いてみるわけですよ。
あー砂浜感じるな、あったかーい、あー気持ちいい…ってね。
そうやってどんどんリラックスさせていくと、マインドってすごいから
そうすると体がだんだんだんだんラクになっていく。その練習をしてみてください。

「体と対話」「体のリズムに頭を合わせる」「頭と体の波長があっていない」。

これは、その後に始めることになるヨガの考えやCBT(認知行動療法)で勉強したこととまったく同じだった。人はだけでできているのではなく、の3つでできている。そして、それぞれがそれぞれに影響を与えあって存在している。

私は、頭だけで生きてしまっていた。でも、きっと世の中の大部分の人たちはそうだと思う。体の不調には気づきやすいけれど、それは単に体だけの不調だと思っているだろう。不調を治すには、体と心と頭の3つを総合して考えることが必要だ。

たとえば、「腰痛」は「不安感」とつながっていると考えられている。私も母親も、腰が悪い。また私の場合は、昔は悪くもなんともなかったのに、数年前から急に悪くなり始めており、それはちょうど渡英やその後のこの自己発見のプロセスと合致している。

なので、解毒も「心身もともに解毒すること」が必要だと私は考えている。いくら頭で理解しても、心がついていかないからだ。「変わるということ」で書いた通り、頭で理解したことがあるとき腑に落ちることによって心身で理解し、そこで初めて完全な理解となる。その体感を助けるために、私はカウンセリングで頭からの理解をしながら、同時にヨガで心身からの理解にも取り組んでいる。

のちに詳しく学んでいくことになる、重要な考えかただった。

モラルハラスメントに対するには

モラルハラスメントを考えてみる」で、「見えにくい」というモラハラの特徴のひとつと毒親の特徴がとても似ていることがわかった。

他の特徴である「合理化」や「卑劣さ・理不尽さ」は、似ている部分もあり違う部分もありというところだった。でも、「加害者とは」や「虐待が起きる条件」「被害者の心理状態」などは、かなり酷似していると思った。モラハラの加害者はたぶん毒親被害者で、気づきがなく毒に染まったまま、他の人に毒をまき散らして生きているのだと思う。

では、モラハラに対するにはどうしたらいいのか。

1.脱出するきっかけ(気づきとエンパワーメント)

虐待が起きている場所とは違う価値観のものに触れる、その場に属していない人と話をしてみるなどのことをきっかけに、今自分に起きていることが当たり前のことなのではなく、虐待なのではないかと疑ってみることが、まず脱出のための第一歩になる。自分に起きていることが自分のいたらなさからくる当然の結果なのではなく、加害者からの暴力であることを認識できるようになる。

のちのちわかるけれど、私の場合は「解離性」ということで、たぶん人生のかなり早い段階で親がおかしいことには気づいていた。そして実家を出てから普通の人と接して生きることで、より深い理解を得られた。また、渡英で日本とは違う生きかたに触れ、「自分も毒されている」という気づきがあった。

2.脱出(出口、脱出、加害者の怒り)

状況を改善したり、虐待の構図からの出口を見つけるためには、相手のモラルハラスメント的なやり方に反応しないことが必要。そうすれば、そのやり方は効力を失い、被害者を動揺させるという加害者の目的は達成されない。

「相手のやりかたに反応しない」というのは、わかっていても難しい。なので、離れることが一番。

加害者の支配から抜け出すために一番いいのは、加害者から離れること。心理的に加害者に抵抗するためには、誰かの助けが必要になる。その人は、加害者の影響を受けていない人で、まわりの人を支配コントロールしようとしない、安心できる人である必要がある。そのような人を見つけ、その人と話をし、エンパワーメントされながら虐待の構図からの脱出を図る。

私の場合は「安心できる人」だと思った夫が同じく毒親育ちだったため、二次被害を受けてしまった。

被害者が脱出を図ろうとすると、加害者の心には、ますます被害者に対する怒りと憎しみの感情がわき起こる。加害者は、被害者が他の人とつながることや自分から離れていくことを裏切りと取り、自分こそが被害者であると訴える。

うちの毒親の場合、夫婦で私の悪口を言い合って多少満足ができるのか、追ってきたり直接攻撃してきたりしないところはまだましと言える。周りに私の悪口を言いまわっているだろうけど、それが私に影響しない限りどうでもいいと思えるようになってきた。

3.脱出後の心理

  1)抑うつ

自分の心に、今まで思ってもみなかったほど多くの深い傷が刻まれていることに気づく。この時期は、そのことで加害者を責めるというより、自分自身が情けなくなり、自責感を感じる。また、加害者の影響がまだ強く残っている場合には、その場を離れてしまったことに対する罪悪感をぬぐい去ることは難しい。

私の場合はもともと解離していたので、まったく罪悪感はなかった。その代わり、自分も毒されてしまっていたことに気づいたときはひどいショックを受けた。

  2)加害者への怒り

被害者の気持ちは、加害者に今まで利用されていたということからくる自分への自責感や抑うつ的な気持ちから、屈辱感、相手への怒りへと変化していく。今まで失われていた自分の正当な権利を取り戻したいという気持ちになり、相手を告発したくなったり、相手に謝罪を要求したいという気持ちがわいてくる。

ちょうどこの帰国したばかりのころから、抑えられない怒りがわいてきた。一番苦しむやりかたで親を傷めつけて、殺してやりたいと思っていた。小さいころから、親を相手に裁判をしたいと思っていた。正当に裁いてもらえさえしたら、自分が絶対勝つのにと思っていた。小学生のころは弁護士になりたかった。

  3)PTSD

被害者は、加害者から離れ安全な場所にいても、またいつ攻撃されるかもしれないと常に緊張し、不安感や恐怖感が続いている。なかなか眠れなかったり、眠りが浅かったり、小さな刺激にもひどく驚いたり、いらだったりする。そのような状態はしばらくすると消えていくが、その後も突然、暴力を受けていたときの体験がよみがえり、そのときと同じような感情や感覚になることがある。また、眠っているときに悪夢を見たり、夢の中で虐待されたりもする。

人と人との境界線」に書いた私の悪夢は、まさしくこれだった。また、昔から大したことない物音で一人だけビクッとなり、常にレーダーを巡らせていて少しも安心できない。眠りは浅く、夫がほんの少し身動きしただだけでそれを感知し、歯軋りをする。

4.脱出後の攻撃

  1)セカンドアビューズ

被害者は、虐待そのものもつらいが、加害者側に立ってしまう人や傍観者的な立場の人からも傷つけられてしまい、辛い思いをする。被害者の思い違いなのではないかとか、かえって被害者の方が加害者なのではないかと見られてしまうことにもなる。また、加害者は、第三者が介入することを嫌う。一方被害者は、介入してほしいと思っている。つまり、傍観者的な位置にいて何もしないでいることは、加害者側に都合が良いことになってしまう。傍観者的な立場でいられると、被害者にとっては、加害者側に立たれたような気がする。

うちの毒母も、「家の問題に首を突っ込まないで」と私の味方になる人を遠ざけさせ、人には「娘が心配で」「連絡もなくて」と言いまわり、「Kelokoちゃん、お母さん心配してるんだよ」とわけ知り顔で言わせる。以前はなんとなく罪悪感があったけれど、もう誰になにを言われても、なんと思われても、自信を持って言い返せるようにはなった。

  2)リモートコントロール

被害者が、加害者のコントロールから逃れようとして離れたときに、加害者のリモートコントロールが始まる。加害者は、被害者が離れた後も影響を及ぼせると思っており、関わりを求めてくる。そして、このリモートコントロールが有効にきかないことに加害者が気づくと、自分の怒りを第三者に間接的に伝えることで、コントロールの領域を広げようとする。しかしそれは、被害者へのモラルハラスメント的な虐待という枠を外れることであり、まわりの人の目にも見えるような行動が出始めることであり、そのためまわりの人の意識によっては、加害者の暴力が白日の下にさらされることにもなる。

うちの毒親の場合は、ここが少し違うかもしれない。人の目を異常に気にするので、人から「おかしい」「だめな親だ」と明らかに見えるようなこと、たとえば「ご飯を与えない」などは絶対にしない。痕跡の残らないモラハラと同じことは、「虐待」という意識がないので遠慮なくしてくる。

この脱出後の攻撃を知っておき、うつや怒り、PTSDから回復することが、この後の仕事になってくる。

(引用部分はすべて「NPO法人 こころのサポートセンター・ウィズ」より適宜抜粋)