心が開いた

ヨガで涙が出た衝撃の体験から一週間して、カウンセリングでこのことを話した。

カウンセラーは私のヨガの先生の師匠なので、先生よりヨガには詳しい。このときにやったポーズなどを聞かれたので答えると、詳しく解説してくれた。

私はこのとき「ハートチャクラ」を開くヨガをやっていて、心が開いてきたのだろうということだった。体と心と頭というのは密接につながっていて、たとえば緊張を和らげるために誰しも「深呼吸」をすると思うけれど、これは深呼吸という「体」を動かす運動によって、「心」の緊張をほぐそうとしているものになる。

人はが緊張していると、肩に力が入ったり、つまづいたりどもってしまったりとも緊張する。深呼吸によって体の緊張がほぐれることで、心の緊張もほぐれていく。深呼吸が緊張を解くというのを疑問に思う人がいないように、心と体がつながっているということは、実は誰もが自然に知っていることだったりする。これは不安症のCBTセッション、「不安のサイクルと破りかた」でも勉強した。

毒親育ちは誰しもそうだと思うけれど、育つ過程で心を閉じることで自分を守ろうとする。人間の本能的なサバイバルテクニックだ。こうして育った人は身にしみついたテクニックを大人になっても無意識に使ってしまうので、人間関係に問題が出てくる。この閉じてしまった心を治すのに、心のチャクラを開くポーズをやっているのだということだった。

ヨガで「三日月のポーズ」のような胸を開いて反らすポーズをすると、心(=潜在意識)がその変化を認識する。その心の変化がまた日常でも胸を開く姿勢につながり、それがまた心に変化を与え、体→心→体→心と変化の相乗効果で心が開いてくるようになるらしい。

これを聞いたとき、「吊り橋効果」を思い出した。吊り橋のような不安定な場所で心拍数が上がった状態で出会うと、そのドキドキ感を恋愛と勘違いしてしまい、そこにいた異性を好きになってしまうという。それなら胸を反らせることで心が開いたり、自信がついたりするということは十分あり得る。

このように体の状況はメンタルに大きく影響してくる。そしてメンタルの問題も必ず体に出てくる。だから体の状態を見てみれば、メンタルにどんな問題があるのかがわかるのだとのことだった。カウンセリングの初回に提出した問診票には、身体的に抱えている問題を記入するところがあった。私は渡英後数年してから腰痛になったけれど、これは「ルートチャクラ」の問題、安心感の欠如からきているらしい。

ヨガとはいったいなんなのか。

何千年も前からあるのに、こんなにも現代心理学に通じるテクニックを体系化しているなんて。私がNHSでヨガを勧められたように、イギリスではヨガと心理学の関連性が広まってきているらしい。歴史的に多くのインド移民がいるイギリスならではかもしれない。

心理学ではたぶん、たとえばCBTでやったように、「心」の緊張をほぐすには「思考」や「行動」「体」から緊張をほぐしていくというところにたどり着く。思考はこう変えてみて、行動はこう変えてみよう、というところまでは頭で考えられる。

問題は「」だ。体のどこをどう動かせば、狙った心の緊張をほぐせるのか。ヨガではそこが研究されてまとめられているのだと思う。どういう心の問題が体のどういうところにどう出るのか、それをどうやって治していったらいいのか。心理学だけでは解決できない体からのメンタルの回復を、ヨガでは取り組んでいくことができるのだ。

またカウンセラーの説明によると、よく耳にするヨガの「チャクラ」というのは、鍼灸の「ツボ」とのことだった。人体には無数のツボがあり、心体に問題があると特定の部分の気の流れがつまるので、それをで突いて刺激し、気の流れをよくすることで回復する。それと同様に、体を動かして様々なポーズをとり、チャクラを刺激してエネルギーの流れをよくするのだということだった。

これは鍼灸に馴染みのある日本人の私にとって、とても理解しやすかった。

ツボと同様にチャクラは体に無数にあるのだけれど、その中でも大きなものが背骨に沿って7つあって、それがよく耳にする「ハートチャクラ」や「ルートチャクラ」などなのだそうだ。カウンセラーから冊子をもらったので、それを読んでみることにした。このときの私に起こったことも、つまって流れが悪くなっているハートチャクラを三日月のポーズによって刺激し、エネルギーの通りをよくしたことになる。

心理学では、カウンセラーとの対話によって頭から意識的に変化を起こし、それを続けていく中で日常生活の中でいわゆる「アハ体験」をして、回復していくということになる。「変わるということ」でも書いた通り、私もこれを体感したことがある。ヨガではそのアハ体験を、ポーズをとってチャクラを刺激することで目指す。私はこの頭と体の両方からアハ体験を目指しているので、万全の体制だとカウンセラーに言われた。

I am here!」で起こったことも、まさにアハ体験だった。

自分が存在していることなど、もちろん知らないわけはなかった。でも実はそれをきちんと心身の全体で体感してはいなかったのだ。自分が存在しているということはどういうことなのか、感じたことがなかったのだ。「日本語カウンセリングを始める」でも書いた通り、親から自分の感情を無視されて育ったため、自分の存在を感じられなくなっていた。また自分の存在を実感してしまうと苦しいため、自ら自分の存在を感じないようにしていたことも考えられる。

もちろんこういうことはカウンセリングの中で言葉を通して頭で理解し、そこからある日アハ体験を経て体感し、身になっていく。私の場合はもちろんこのころカウンセリングでいろいろな問題を発見し、頭での理解も進んだのとヨガのポーズを含め、この日の感情や体調など様々な条件が整い、アハ体験につながったのだと思う。

このカウンセリングの内容を考慮し、午後のヨガセッションで取り組んでみてほしいポーズがあるとのことで、カウンセラーがそれをヨガの先生に連絡してくれることになった。こうして毎回、カウンセリングで話した内容から私に必要なポーズをヨガでやるという、カウンセラーとヨガの先生との共同タッグで解毒の一大プロジェクトが始まった。

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2件のコメント

  1. やったー!

    これからですよ、これから!

    俺も日本でだけど
    、頑張ってカウンセリングを続けます!

    励みになります!

    お互い、続けていきましょうね!

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    1. > 西井さん

      コメントありがとうございます。カウンセリング続けられているんですね。お互い回復が進みますように。

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