自己肯定感を育てる

自己肯定感が低い人は、なにかしないと人に受け入れてもらえないと思っているから、勝手に相手の求めているものはこうだと決めつけ、それに合うように振る舞い、疲れ果ててしまう。仕事の面接でも、とにかく相手の都合のいいように振る舞い尽くすので、自分を偽っているものだから、そこで仕事がつかめたとしても、実際の仕事と自分のギャップに疲れ果ててしまう。

人といるとなぜ疲れてしまうのか」の理由だ。自分がない。自分でいても好かれたり必要とされないという思いから、自分でいることに不安なので、求められるように振舞ってしまうからだ。

このころ特に、自分の声が父親に、姿形が母親にどんどん似てきていることが気になっていて、自分が気持ち悪くてしかたがなかった。まず喉を焼いて、ガリガリにダイエットでもしないと無理だと思っていた。こんな状態では、ますます自分で自分を否定していってしまうという危機感に襲われた。

自分で自分を肯定できない場合、自分を肯定し必要としてくれる存在を求めてさまようことになる。お金があっても援助交際に走る女子高生のようなものがいい例だ。「お金」という目に見える対価を払ってもらうことで、自分の価値を実感しようとする。多くの異性と付き合って、自分が必要とされていることを実感しようとする人もいる。また問題のある人と一緒になり、その人は自分がいないとだめだと思うことで、自分が必要とされていることを実感しようとすることもある。高いものを買い尽くして、自分の価値を確認しようとする人もいる。どれもこれも、親から無条件に肯定してもらえなかったことが一因になっていると思われる。

どれだけつらい思いをしても私が夫と別れられなかったのは、これが理由だった。共依存だ。自分で自分を埋められず、この人に認められ必要とされないとだめだと思っていた。

結婚と自分の気持ち」で書いた通り、私が夫に求めていたのは「安心感」や「安定感」だった。私は夫に対して恋愛感情がなく、初めから家族のような存在だった。兄のような、弟のような、父親のような、母親のような。夫は白人のイギリス人だけれど、出会ったときから一度も「外国人」だと感じたこともなかった。それくらい空気がなじむ人だった。だから親から満たしてもらえなかった安心感を、夫からもらおうとし始めてしまったのかもしれない。

夫に出会うまでは、職場で自己肯定感を満たそうとしていたいたのではないかとカウンセラーに言われた。日本にいたときの会社ではどこでも、きちんとした評価をしてもらえていた。毒親のように、相手の都合でころころと評価が変わることはなかった。職場は私にとってとても重要な場所だったのだ。以前からその重要性に気づいてはいたけれど、改めてそう感じた。どの会社でも私を尊重してくれたし、有用だと思ってくれていると感じることができた。

でも、それではだめだった。人の評価に頼っていては、人間は生きていけない。「日本的な会社が苦手な理由」で書いた会社がつらくて耐えられなかったように、「無用に扱われている」と感じてしまうととたんに自分を保つことができなくなるからだ。

人はその人の経験や価値観で評価をするものなので、他人を正しく評価することができない。たとえば数学で70点をとったとする。数学が苦手で、今まで30点しかとれなかった人が70点をとったら、「頑張ったな」「よく勉強したな」と思うだろう。でも数学が得意で普段から90点や満点をとっている人にとってみれば、70点は到底満足のいく結果ではない。同じ70点でも、人によって評価がまったく違ってくる。

人の評価に頼っていると、たとえ自分が頑張って70点をとっても「なんだそれは」と言われてしまったり、また怠けて70点をとっても「頑張ったね」と言われてしまうかもしれない。頑張っても頑張っても認めてもらえなかったり、どんどん怠けていってしまったりするだろう。

どれだけ近しく親しい人でも、私でない限りは私を正確には評価できない。だから人の評価に頼って生きていると、自分と現実との間にギャップができていってしまう。これが悪化すれば、うつになる。

自分で自分を評価して、安心感も安定感も持って、自分自身で完結していられるようになることが重要だ。

日本でリストラされた人や、仕事で失敗してしまった人が自殺してしまうのは、これが原因なのだと思った。仕事や他人の評価に自分のすべてを依存していると、万が一それがなくなったとき、たとえば会社が倒産したり、上司が変わって評価がガラリと厳しくなるなどしたときに、立っていられなくなる。仕事ががなくなると、自分自身も終わりになってしまう。

誰がいなくてもなにがなくても、自分で完結できるようになることが必要だ。

けっきょく自分の居場所というのは、自分の中にあるわけで、夫でも実家でも職場でもないということに気づいた。以前のカウンセリングで「今を見つめる」ように言われ、「幸せの青い鳥は、外ではなくにいる」と言われたことを思い出した。

では、自分を作っていくにはどうしたらいいのか。
自己肯定感を育てるにはどうしたらいいのか。

それには「自分の好きなことをする」ことだと、カウンセラーに言われた。周りがどう思うか、それがなんの役に立つかは考えず、ただ自分の気持ちに従って好きなことをやってみること。とにかくそれをやってみることにした。

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4件のコメント

  1. 初めまして。以前も読ませていただき、またたどり着きました。分かりやすいコトバでとたも大切なことが書いてあるなあと感じました。ありがとうございます。

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    1. > サクラダフミコさん

      コメントありがとうございます。わかりやすくはいつも気にしているところなので、そう言っていただけると嬉しいです。こちらこそありがとうございます。

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  2. はじめまして。今週末一気に訪問者が増えていたら私が原因だと思います。すべて読めていませんが、あまりにも共感できることが多すぎで、コメントを残したくなりました。アダルトチルドレンに気付いたのはkelokoさんと同じく結婚後。結婚して幸せなはずが虚無感。新婚旅行帰りにパニック発作で不安神経症に陥る。旦那は泣いている私に、なぜ泣いているかも尋ねない。結婚の理由も私は自分がないから周りに流されたんだな、とkelokoさんの文章を読みながら気付かされました。今まで何とかして自分を変えたくてサイトや本、カウンセリングを受けても知識ばかりで自分を変えれず、青い鳥を追い求めてるだけかな?と感じはじめてましたが、壮絶な状況で頑張っているkoloko さんの話を読んでいたら、今までやってきた何よりも、kelokoさんの体験談に解決の糸口が見えた、見えそうな気がしました。worry tree表などは、いつでも見返せるように写真を撮りました。keloko さんの文章に会えてありがとうです。

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  3. > さくらさん

    コメントありがとうございます。参考になったものがあったようで嬉しいです。結婚後、出産後など家庭の形態が変化していく際に、自分のことに気づくというのは多そうですね。泣いているのに無視されるのは、私の夫とまったく同じです。お気持ちわかります。お互いラクになっていけるといいですね。

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