同居に向けて

このころ、カップルカウンセリングで夫と同居についての話が出始めた。

一緒に住まないでいると、人間というのは別々に生きていく道を見つけてしまうとのことで、なるべく早く一緒に暮らせるようにしたほうがいいとのことだった。

とはいえ、私はまだ怖かった。あんなことがあったこの家で、この夫と二人になることが怖かった。あの「死ななければいけない」と思った地獄のような感覚を思い出してしまうのが、とてもじゃないけれど怖かった。

その不安をカウンセラーに相談したところ、いきなり一緒に暮らし始めずに、少しずつ慣らしていくのがいいと言われた。それもそうだ。

当時は夫が週五の契約が終わり、週一になったところだった。実家に泊まらせてもらっていて、カウンセリングがある月曜日にこちらに出てきて友人のところに泊まり、火曜日に仕事をし、また実家に戻って週の残りを過ごす、という形で生活していた。そこで、週一こちらに来るときに友人のところに泊まらず、に泊まるようにしてみたらどうかという提案が出た。

でもやはりこの家で夫と二人になるのは怖かった。

そこで、一度私が夫の実家に一緒に泊まってみてはどうかということになった。まずそこでお義母さんと義妹と夫の四人で過ごしてみて、様子を見てはと。これならまず、まるきり二人きりになることは少ない。これがうまくいったら、週一で家に泊まってみるようにして、だんだん慣れてみてはと。

注意点として、以下の二つのことも教わった。

1)なにかあったときにどうしたらいいか

とにかくすぐその場を離れ、時間を置くこと。私が怒るべきところで夫がカーっとなってしまうから、私が自分の怒りを表現できずに押し込めてしまって問題が起こる、というのがいつものパターンだった。なので夫がカーっとなったときに時間を置いて、一度その場を離れること。落ち着いてから話せば、夫も話を聞けるだろうとのことだった。

これは本当にその通りで、「カップルカウンセリングの事前ミーティング」で話し合ったときも、「そうじゃないよ」と言う私に夫がカーっとなってしまったことがあった。でもたまたまカフェの閉店時間が迫っていてすぐ出なければならなくなり、夫が私を置いて別の場所を探しに行って、しばらく一人で町をうろうろした。再会して話を続けると、夫は「そうだね」と自分から言い出したのだ。

私の場合、「ここで終わりにしてしまったら二度と話ができなくなる」と思い込んでしまって、夫がカーっとなってしまっていてもどうしても離せない。なので「後で戻ってきてまた話ができる」ということを、きちんと保障してもらうことが必要だった。二人の間で、「とりあえずいったん離れ、落ち着いてからまた話す」という決まりごとができていれば、確かに解決する。

2)夫のお母さんの話を聞く

カウンセラーいわく、これが私の助けになるだろうとのこと。もちろん、お母さんが「話してもいい」と思っていることが前提となる。

夫が実家に行っているときに、今の私たちの状況をお母さんに話したところ、自分とお父さんとの間にあった問題ととても似ていると言われたらしい。夫のお父さんもきっと、回避型だったのではないか。そういう話をお母さんから聞き、お母さんから共感を得ることによって、私に「一人で戦っているのではない」という感覚が出てくるだろう。それが大きな助けになるかもしれないとのことだった。

なので、同居の練習も兼ね、夫の実家に行ってみることにした。

不安だらけだった。イギリスに来て、夫と暮らして丸7年。夫と離れて暮らし始めて、二か月。あんなことがあった人と、本当に一緒に暮らせるようになるのだろうか。そもそも、人と一緒に暮らすこと自体が、まったく想像できなかった。

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