「不幸にする親」

「毒親」というワードを知ってからというもの、毒親体験談から回復のしかたについてまで、たくさんのものを読みあさっていた。そんな中、ふらりと入ったロンドンの日本の古本屋で、なんとこの「不幸にする親」という毒親本を見つけたのだ。

controlling parents
「不幸にする親 人生を奪われる子供」ダン・ニューハース著、玉置悟訳
(左は原書、”If You Had Controlling Parents: How to Make Peace with Your Past
and Take Your Place in the World” by Dan Neuharth)

ものすごい偶然に、一気にテンションが上った。こんなロンドンの小さな日本の古本屋で、こんなにも自分が求めていた本が見つかるなんて。流行りの本ならまだしも、こんなマイナーな本が日本語で読めるなんて、見つけたときはもう信じられなくて固まった。

これはもう、私に「解毒しろ」と天だか神だか先祖だかが言っているのだと思った。単純だ。

毒になる親」が出版されたのが1990年、その9年後の1999年にこの「不幸にする親」は出ている。著者はまったく違うのだけれど、同じ人が日本語訳をしていた。それが約20年の時を経て、私の手元にやってきた。

「毒になる親」のほうはかなり広範囲の毒親について書かれていて、アルコール依存症やうつ病の親からの身体的虐待によるアダルトチルドレンの話も多い。これはたぶん、もともと「アダルトチルドレン」という考えかたがアメリカで始まったときに、機能不全家庭の多くが親のアルコール依存症によるものだったことと関係があるのだと思う。

「不幸にする親」のほうは、「毒になる親」の中の第三章と第五章にある「コントロールばかりする親」と「残酷な言葉で傷つける親」という、精神的虐待についてより深く書かれたものになっている。なので、私のような身体的虐待のなかった毒親育ちには、こちらがより役立つと思う。

また「毒になる親」がすべて文章でズラズラと書かれているのに対して、「不幸にする親」ではわかりやすく箇条書きを多用して書かれている。私にはこちらのほうが整理しやすくてよかった。また「毒になる親」では解決方法として親との「対決」について多く書かれてあるのに対し、「不幸にする親」ではより「自分の回復」に焦点が置かれており、自分でできるエクササイズがたくさん載っている。

この本では、親の精神的な虐待が「不健康なコントロール」と表現されている。

「不健康で過剰なコントロールをする親」とは、子供の成長をはぐくむためではなく、自分(たち)を喜ばせ、自分(たち)を守り、自分(たち)のためになるように行動する親をいう。(序章より抜粋)

子供は「ノーコントロール」で育てることはできない。車道に飛び出すことは危ないし、最初はそれを止めてコントロールしてやらなければならない。でもその後もずっとコントロールを続けていると、それは「不健康なコントロール」になってしまい、子供の学びと自立を奪い不幸にしてしまう。子育てには「健康的なコントロール」が必要なのだ。

この本ではこの「不健康なコントロール」についていくつもの種類に分けて解説してあり、またそれが子供にどういった影響を与えるのかということが詳しく書いてある。とても詳細に具体例を挙げて書かれてあるので、毒親経験のない人が読んでも子育てや人間関係の理解にとても役に立つと思う。

序章 親の有害なコントロールとは

<パート1>こういう親が子どもを不幸にする
第1章 心が健康な親VSコントロールばかりする親
第2章 有害なコントロールのパターン ―有害な親の8タイプ

<パート2>問題をよく理解しよう
第3章 ”有害なコントロール”の仕組みはこうなっている
第4章 過去からの遺産は大人になってから現れる
第5章 彼らはなぜ子どもをコントロールばかりするのか

<パート3>問題を解決しよう
第6章 不健康な心の結びつきを断ち切るには
第7章 親との関係の持ち方を変えるには
第8章 人生をリセットする ―人間的に成長し、心を癒す9つの道

終章 過去に意味を見出す

なるべく多くの人に読んでもらいたいと、切に思う。その理由が、これだ。

不健康で過剰なコントロールの害が起きるのは、欺瞞と混乱に満ちた家庭ばかりとはかぎりません。外から見れば理想的に見える家でも、内部は正反対だったりすることがよくあります。特に、本当は問題があるのに「うちには問題なんてありません」という顔をしている家では、親の有害なコントロールが行われていることが多いものです。(序章より抜粋)

私も今までに何人かの「毒親」や「毒親予備軍」を見てきているが、そういう人たちは決まって周りから「理想の家庭」として尊敬されていることが多い。でもとてもきちんとしたいい家庭に見えるということは、親がすべてをコントロールしている可能性が高いということだ。

そういう家庭を見ると、子供の気持ちがよくわかってしまってとてもつらい。でも私にはなにもできない。こうして自分の経験を書きつづり、そういう親たちに気づいてもらうこと、またそのつらい経験をしている子供たちや経験をした大人たちに知ってもらうことで、解毒に協力できたらと思うばかりだ。

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