私の解毒事項

毒親の経験談を読んでると共通点がいくつもあったのだけれど、その中で自分にも非常に当てはまるものをピックアップしてみた。

1)少しのミスも許されず「完璧でいなければならない」という強迫観念が常にある

これは、毒親育ちにかなり多い経験のようだった。私もこれが生きにくさの大きな原因になっていることは明白で、過剰な「完璧主義」について取り組んできてはいたものの、けっこう根が深く、気づくたびに凹んでいた。

原因については、このころは「少しのミスでもあると毒親に突かれるため」だと思っていた。前記事にも書いた通り、優越感にひたるために私のことをこき下ろすので、その材料になるものをなるべく最小限に留めようとしたり、言い返せる材料をストックしようとしていた。でもこれはのちのカウンセリングによって、また別の理由が発覚する。

この癖により、毒親を離れても自分の失敗を受け入れることができず、同じことを夫にも要求し、それが達成されないことに対して毎回イライラしてしていた。これは間違いなく日本人に非常に多いと思う。なんでも改良し、改善し、完璧を目指し続ける。それが正しいことであり、そうしないことは間違いである。社会全体がそうだから、その考えを変えていくのは困難を極める。

「自分はしっかりしている」「周りが見えている」という人ほど、この洗脳にはまっていると自分から告白しているようなものだ。私もそうだった。でもそれは単に自分自身を必要もないのに苛立たせ、周りにをまき散らしているだけだったのだ。

私の気づき」は、日本を出たことから始まった。「完璧を目指す」というのは、単なる「多くの考えかたのうちのひとつ」であり、世界中の全員がそうしなければならないわけではないことに気づいた。自分がその考えかたに囚われていることで、自分と周りを不幸にしているのだと気づいた。

頭で理解したら、あとは体中からその毒を追い出し、反射的なリアクションまでなくしてスッキリするだけだ。でもそこからが大変だった。

2)自分の気持ちがわからない

これもかなりメジャーな問題だった。自分に興味を持ってもらうことがなく、また自分の気持ちや感情を無視されてきたために、自分の気持ちへのアクセスが閉ざされてしまっていた。自分が「どうしたいか」ではなく、今ここで自分は「どうするべきなのか」を常に考えて生きていた。

幼稚園の卒業文集を作る際のことで、覚えてることがある。「将来なにになりたいか」を書かなければならなかったのだけれど、他の子が思い思いの夢を書いてる中、私だけまったくなにも思い浮かばなかった。一番最後に一人になってもまだ書けなくて、親に相談する始末だった。それでもひねり出せなかったので、とうとう最後には「お花屋さんになりたい」とを書いた。母親が花が好きだったのだ。

母親はそれを本気で信じ、コメント欄に「お花が好きなのね、お母さんもお花が好き」などと馬鹿なことを書いたのを見て、幼稚園児ながら引いた。花など一度も興味を示したことがないのに、そんなこともわからない親だった。

夫相手には、少しずつ自分の気持ちを追いかけながら話すことができてはきていた。コツは、人と話をしていて違和感を感じたときだ。最初は違和感があってもスルーしているけれど、意識しているとだんだんと違和感に気づけるようになってくる。違和感を感じたら、スルーせずに、その違和感がなんなのか、どうして出てきているのかを考えてみる。そうすると自分の気持ちが把握できるようになってくる。

3)理解してもらえなかったり誤解されることへの異常な恐怖

もしかするとこれは毒親育ち全員に当てはまるのではないかと思うくらい、メジャーな問題だった。自分の気持ちを汲むことをまったくしてもらえず、発言を勝手に毒親の都合のいいようにとられたり、言葉の端だけ取り上げられたりして、わけもわからず責められたり、あることないとこ周りに言い回られる、というようなことを何十年もされ続けてきたからだ。

そのため、1)と同じように、とにかく少しのミスもしないように常に気を張ってやり取りして疲弊することもあるし、それ以上に、そうして誤解や理解してもらえない状態が起こると、パニックともいえる恐怖感嫌悪感がこみ上げてきてどうしようもなくなる。世界中から自分だけ隔離される感覚だ。

これは毒親に対してだけではなく、他の人との間にたまたま起こったことでも、不必要な怒りがわいてきてどうしようもなくなっていた。これをフラッシュバックと言うのだと思う。大したことではないのに「もうあの人とはだめだ」となり、つき合いを遮断したりする。人間誰しも誤解はあるし、その度に遮断したりしてたらキリがない。だから落ち着いて誤解が解けるよう説明できるようにならないと、いつか独りになると思った。

すべにおいて、まずは自分にそういう傾向があることを自覚して、そこから本格的な解毒が始まった。

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2件のコメント

  1. はじめまして、いろいろ調べていたらこのサイトに行き着きました。
    Kelokoさんの解毒次項が、今の私にまさに当てはまり、思わずコメントしました。

    私はアーティストです。
    私も以前英国に住んでいた時は、周りが私が一人の人間と認めてくれて、私も自然と自分のペースで作品を制作できていて、充実感を持っていたのに、
    2年前にビザが切れて帰国後は、それまでは自信もってやっていたことが日本で評価されず、やたらと他人の言葉に傷つき、「女なんだから」「いい歳なんだから」「嫁なんだから」と枠にはめようとしてくる周りの人の発言に人一倍怒りを覚えていました。
    そんな中で、自分はいったい何をしたいのか、自分のやっている事と自分の感情がずれている感覚がずっとあり、他人に評価されない原因は自分が頑張っていない、努力していないから、また英国と日本の環境の違いだと思っていました。

    そんな中、たまたま読んでいた’Trauma and Recovery by Judith Herman’の内容が自分に当てはまることが多く、ネットでは毒親とかモラルハラスメント親、そしてアダルトチルドレンというワードに行き着き、自分がそこにそのまま当てはまり、それで府に落ちたんです。驚きました。実は私にとって根深い問題なのだと今更ながら知りました。

    私の母親は言葉の暴力、身体的暴力を振るう人で、まさに私を踏み台にして自己を保っている人です。世間体を強く気にする一方、私には毎日理不尽なことを言って怒りだし、首を締めてきたこともありました。私は反抗しましたが改善されず、自殺を考えた時も、うつで通院していたこともありました。当時は毒親とかモラルハラスメントとかいう言葉も知らず、親と離れて暮らすのが長くなってからは、ひどい親だったと思うだけで、完全に乗り越えたと思っていたのです。

    ですが親と離れた後も、完璧主義で、自分の価値基準が社会的に正解かどうかに囚われ、自分の発見や感情、失敗も肯定することをやってこなかったと思います。この歳になってもなお、その毒親の影響が自分の判断や感情を支配していると思うと悔しくてたまりません。同時に、どうしたら自分を肯定できるのか、どうこの凝り固まった価値観を変えていけるのか、やり方もあまり分からず非常に不安でもありますが、自分の好きなことを理解し、自信を持って取り組んでいけるようになりたいです。

    このように自分でも少しは整理して考えられるあたり、通院する程、深刻じゃないのかなとも思ったりするのですが、Kelokoさんの経験上、やはり専門家に相談する必要性を感じましたか?

    長い文章になりましたが、読んで下さってありがとうございます。
    他のページも見させて頂いて、参考にさせて頂きます。ありがとうございました。

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  2. > ジャグジーさん

    コメントと体験談をありがとうございます。すごい本をたまたま読まれていたのですね。なにか変えたいという思いがそこに行き着いたのでしょうね。
    私は回復のしかたは人やタイミングによりそれぞれだと思います。深刻だからカウンセリングが必要ということでもなく、とりあえずなにがどうなっているかわからないからまず専門家に整理してもらいたいとか、人に話を聞いてもらいたいとか、そういう使いかたでいいような気がします。おっしゃる通りご自分である程度整理ができている場合、本を読んだり、解毒できていると思われる人との会話で考えかたを盗んだり、意見を聞いたり、そういうことでもできそうな気もします。現に、今の私はそういう状態です。
    私がやってみたカウンセリングのいいところは、会話の中でカウンセラーが適宜突っ込みを入れて気づきをくれたり、よくわからないことを解説してくれたりするので、そのときの自分に必要なものをドンピシャでもらえるというところだと思います。本の場合は自分に当てはまるところばかりが出てくるわけではないのと、自分に当てはまっているところに気づかない場合もあります。あとはやはり人から理解を示してもらうことで、大きなつかえが取れることが一番大きいでしょうか。これは本ではできないところですね。でも本には本の良さもあります。
    もしご興味おありでしたら何度か行ってみて、今の自分にはこれではないと思われたら他のやりかたを模索するのがいいかもしれません。なんとなく抵抗がおありでしたら、今は行かないほうがいいのだと思います。ご自分の感覚と気持ちをベースに行動されるのも自己肯定感につながると思います。今のジャグジーさんに合ったものが見つかりますように。

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