モラルハラスメントに対するには

モラルハラスメントを考えてみる」で、「見えにくい」というモラハラの特徴のひとつと毒親の特徴がとても似ていることがわかった。

他の特徴である「合理化」や「卑劣さ・理不尽さ」は、似ている部分もあり違う部分もありというところだった。でも、「加害者とは」や「虐待が起きる条件」「被害者の心理状態」などは、かなり酷似していると思った。モラハラの加害者はたぶん毒親被害者で、気づきがなく毒に染まったまま、他の人に毒をまき散らして生きているのだと思う。

では、モラハラに対するにはどうしたらいいのか。

1.脱出するきっかけ(気づきとエンパワーメント)

虐待が起きている場所とは違う価値観のものに触れる、その場に属していない人と話をしてみるなどのことをきっかけに、今自分に起きていることが当たり前のことなのではなく、虐待なのではないかと疑ってみることが、まず脱出のための第一歩になる。自分に起きていることが自分のいたらなさからくる当然の結果なのではなく、加害者からの暴力であることを認識できるようになる。

のちのちわかるけれど、私の場合は「解離性」ということで、たぶん人生のかなり早い段階で親がおかしいことには気づいていた。そして実家を出てから普通の人と接して生きることで、より深い理解を得られた。また、渡英で日本とは違う生きかたに触れ、「自分も毒されている」という気づきがあった。

2.脱出(出口、脱出、加害者の怒り)

状況を改善したり、虐待の構図からの出口を見つけるためには、相手のモラルハラスメント的なやり方に反応しないことが必要。そうすれば、そのやり方は効力を失い、被害者を動揺させるという加害者の目的は達成されない。

「相手のやりかたに反応しない」というのは、わかっていても難しい。なので、離れることが一番。

加害者の支配から抜け出すために一番いいのは、加害者から離れること。心理的に加害者に抵抗するためには、誰かの助けが必要になる。その人は、加害者の影響を受けていない人で、まわりの人を支配コントロールしようとしない、安心できる人である必要がある。そのような人を見つけ、その人と話をし、エンパワーメントされながら虐待の構図からの脱出を図る。

私の場合は「安心できる人」だと思った夫が同じく毒親育ちだったため、二次被害を受けてしまった。

被害者が脱出を図ろうとすると、加害者の心には、ますます被害者に対する怒りと憎しみの感情がわき起こる。加害者は、被害者が他の人とつながることや自分から離れていくことを裏切りと取り、自分こそが被害者であると訴える。

うちの毒親の場合、夫婦で私の悪口を言い合って多少満足ができるのか、追ってきたり直接攻撃してきたりしないところはまだましと言える。周りに私の悪口を言いまわっているだろうけど、それが私に影響しない限りどうでもいいと思えるようになってきた。

3.脱出後の心理

  1)抑うつ

自分の心に、今まで思ってもみなかったほど多くの深い傷が刻まれていることに気づく。この時期は、そのことで加害者を責めるというより、自分自身が情けなくなり、自責感を感じる。また、加害者の影響がまだ強く残っている場合には、その場を離れてしまったことに対する罪悪感をぬぐい去ることは難しい。

私の場合はもともと解離していたので、まったく罪悪感はなかった。その代わり、自分も毒されてしまっていたことに気づいたときはひどいショックを受けた。

  2)加害者への怒り

被害者の気持ちは、加害者に今まで利用されていたということからくる自分への自責感や抑うつ的な気持ちから、屈辱感、相手への怒りへと変化していく。今まで失われていた自分の正当な権利を取り戻したいという気持ちになり、相手を告発したくなったり、相手に謝罪を要求したいという気持ちがわいてくる。

ちょうどこの帰国したばかりのころから、抑えられない怒りがわいてきた。一番苦しむやりかたで親を傷めつけて、殺してやりたいと思っていた。小さいころから、親を相手に裁判をしたいと思っていた。正当に裁いてもらえさえしたら、自分が絶対勝つのにと思っていた。小学生のころは弁護士になりたかった。

  3)PTSD

被害者は、加害者から離れ安全な場所にいても、またいつ攻撃されるかもしれないと常に緊張し、不安感や恐怖感が続いている。なかなか眠れなかったり、眠りが浅かったり、小さな刺激にもひどく驚いたり、いらだったりする。そのような状態はしばらくすると消えていくが、その後も突然、暴力を受けていたときの体験がよみがえり、そのときと同じような感情や感覚になることがある。また、眠っているときに悪夢を見たり、夢の中で虐待されたりもする。

人と人との境界線」に書いた私の悪夢は、まさしくこれだった。また、昔から大したことない物音で一人だけビクッとなり、常にレーダーを巡らせていて少しも安心できない。眠りは浅く、夫がほんの少し身動きしただだけでそれを感知し、歯軋りをする。

4.脱出後の攻撃

  1)セカンドアビューズ

被害者は、虐待そのものもつらいが、加害者側に立ってしまう人や傍観者的な立場の人からも傷つけられてしまい、辛い思いをする。被害者の思い違いなのではないかとか、かえって被害者の方が加害者なのではないかと見られてしまうことにもなる。また、加害者は、第三者が介入することを嫌う。一方被害者は、介入してほしいと思っている。つまり、傍観者的な位置にいて何もしないでいることは、加害者側に都合が良いことになってしまう。傍観者的な立場でいられると、被害者にとっては、加害者側に立たれたような気がする。

うちの毒母も、「家の問題に首を突っ込まないで」と私の味方になる人を遠ざけさせ、人には「娘が心配で」「連絡もなくて」と言いまわり、「Kelokoちゃん、お母さん心配してるんだよ」とわけ知り顔で言わせる。以前はなんとなく罪悪感があったけれど、もう誰になにを言われても、なんと思われても、自信を持って言い返せるようにはなった。

  2)リモートコントロール

被害者が、加害者のコントロールから逃れようとして離れたときに、加害者のリモートコントロールが始まる。加害者は、被害者が離れた後も影響を及ぼせると思っており、関わりを求めてくる。そして、このリモートコントロールが有効にきかないことに加害者が気づくと、自分の怒りを第三者に間接的に伝えることで、コントロールの領域を広げようとする。しかしそれは、被害者へのモラルハラスメント的な虐待という枠を外れることであり、まわりの人の目にも見えるような行動が出始めることであり、そのためまわりの人の意識によっては、加害者の暴力が白日の下にさらされることにもなる。

うちの毒親の場合は、ここが少し違うかもしれない。人の目を異常に気にするので、人から「おかしい」「だめな親だ」と明らかに見えるようなこと、たとえば「ご飯を与えない」などは絶対にしない。痕跡の残らないモラハラと同じことは、「虐待」という意識がないので遠慮なくしてくる。

この脱出後の攻撃を知っておき、うつや怒り、PTSDから回復することが、この後の仕事になってくる。

(引用部分はすべて「NPO法人 こころのサポートセンター・ウィズ」より適宜抜粋)

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