化粧水

祖母と一緒に過ごすため、「実家行きを決意」してから、親と連絡を取り始めた。

今から考えてみれば、そこからもうすでにとんでもないことになる予兆はあったのだ。

話は長くなるけれど、ちょうどその2年前、「叔母と絶縁」のところで書いた叔母の娘である、私の従妹がイギリスへ遊びに来てくれたことから始まる。

そのときに、日本から必要なものを持ってきてくれるというので、いくつか荷物をお願いした。その中には、日本の化粧水が入っていた。私が使っている化粧水は、日本でも特定の専門店でしか売っていないもので、もちろんイギリスでは買えないので、日本へ行ったときにまとめて買ったり、日本から人が来るときにお願いして持ってきてもらったりしている。

そのときも、従妹に6本ほどお願いした。ネットで買って従妹の家に送り、それを持ってきてもらう予定だった。

けれど、毒母が「送る」と言い始めた。他にも、本も何冊かお願いしていたので、従妹が持っていくのは大変だろうと。嫌な予感はしたのだけれど、たしかに従妹に申し訳ない気持ちもあったし、「No」と言えなかった。それで、送ってもらうことになった。

従妹より早く着いた荷物は、箱が破けてぐしゃぐしゃだった。つぶれたところをガムテープで補強されていて、やっと箱の形を保っている程度だった。濡れているところもある。

見て、凍りついた。心臓がバクバクして、息がうまくできなかった。

怯えながら、解剖してみた。中身がザーーーっと流れ出た。お菓子や雑貨が、外袋から出した状態で、小袋のまま山のように入っていた。しっかり固定されてないため、移動中に中身が動き回るから、中がぐちゃぐちゃになるし、箱も簡単につぶれる。ものを送る場合、中身に対して無駄のない大きさの箱に入れ、中身が動かないように固定して送らないとこうなる。

それを除くと、底のほうに、割れた化粧水。ボール紙に包まって、さらに箱に入って売られているはずのものが、むき出しのガラス瓶のまま、お菓子の山に埋もれるように入ってた。1本4,000円の化粧水が、6本中、2本割れていた。2本で済んだのは奇跡だ。全部割れていてもおかしくない。

lotion

たぶん、いろんなものを送りたかったのだ。毒母が。だからこんな無駄に大きな箱に、こんなに無駄なものをたくさん詰めて、たくさん入るからと袋からも出して、入るだけ入れて送った。送ったあとのことは、考えていない。私が必要だったものがきちんと届くかどうかは、関係ない。自分が送りたいものを送る。高いお金をかけておくり、「こんだけしてやった」と満足し、周りに自慢し、「いい親だね」と言われる。毒母がやりたいことは、ただこれだけ。それだけのために、私は利用されるのだ。

もうこのときは、この荷物をどうにか片付けることもできなかった。ひとしきり泣いたあと、玄関先でぼーっとしていて、仕事から帰ってきた夫にびっくりされた。翌日に片付け始めたときも、が止まらなかった。

これを普通の親育ちの人に話すと、「それでもあなたのためにやろうとしてくれたんだから」「そんなにお金をかけて送ってくれていい親じゃない」「なにも泣くことないじゃない」と言うと思う。普通に育っていて、下地がないからだ。これでいい大人が「泣く」ということは、そこにはあなたには考えもつかないそれだけの理由があるということをわかってほしい。

従妹が着いてから話したところ、驚愕していた。なんと、従妹はもちろん化粧水を箱に入ったまま渡し、さらには「それプチプチで包まないとだめだよ」と何度も念を押し、メールでも伝えたそうだ。毒母の反応は、「わかった、わかった」「いつもやってるから」「まかせとけ」。

なのに、プチプチで包まなかったばかりか、箱からもわざわざ出して、ガラスの瓶を海外輸送の荷物にで入れた。しかも、ダンボールにもなにも敷かず、本当にそのままだったのだ。

従妹も、ショックを受けていた。

2本割れていたこと、従妹が何度も「包め」と言ってくれたのにもかかわらず、「わかってる」と言っておきながら、わざわざ箱からも出して送ったのはどうしてかとメールをすれば、「そのほうがたくさん入れられていいと思った」「2万もかけてEMSで送ってやったのに、気に入らないなら送り返せ」と返ってきた。

こういう人とは、たとえ母国語が同じでもコミュニケーションはとれない。

「カネカネ言うなら払ってやるよ!」と言うので、口座番号を伝えたところ、10万円の振り込みがあった。どこまでもろくでなしだった。もちろん私がほしいのはお金ではなかったけれど、もうそもそも無理だと思ったので、「ありがとうございます、助かります」と返し、「あらいいのよ」といったそれ以降の返信もすべて削除して、存在そのものも頭の中から削除した。

それまでいろいろあったけれど、あきらめたのはこれが初めてだった。きっと、もう何年も普通の人たちに囲まれて生きてきたので、普通の感覚が身についてきたのだろうと思った。

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4件のコメント

  1. あまりにも分かりすぎて泣けてきます・・・うちは断砂利とかで家の中をできるだけすっきり片付けてるの!と意気揚々として語ってきたと思ったら、そこで出たゴミをヨーロッパに送りつけてきますからね・・。あまりに腹が立って送り返す→また送ってくるを2回繰り返して、もう送ってこないだろうと思いきや、その荷物を1年キープして私の誕生日に再度送りつけてくると言う。他の人に話しても分かってもらえないと言うのも良く分かります。

    いいね: 1人

  2. > Lさん

    コメントありがとうございます。すごいやり取りですね。もうそれしか出てこないです。お気持ちお察しします。お互い苦労しますね。

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  3. こんにちは。はじめまして。
    Twitterも拝見してます。kelokoさんの、解毒目標に向かって諦めず進み続ける姿勢、
    すごく尊敬いたします。私も解毒を切望していますが、
    時々周りの言葉に流されて疲れ果て、やっぱり悪いのは自分か?って思考停止してしまいそうになるので。
    今は親と物理的に距離を取り、連絡もメールのみ、それも大抵スルー、といった状態ですが、
    やはりいろんな面で毒が抜けていないことを感じる状態です。
    喜怒哀楽の感情の内、どうも怒だけが強いようで…。思い切り泣いたり楽しんだりもしてみたいのです。

    最初は読むだけで、コメントする勇気はなかったのですが、
    こちらの記事に出ている化粧水が、私も以前愛用していた物と同じだったので、すごくうれしくなり、伝えたくなりました。
    肌のことで悩んでいた頃、色んなネット情報や本なども読んでやっと辿り着いた化粧水でしたよ。
    自分ではマニアックだなぁ、と思ってましたので、他に使っている方がいて、
    しかもそれが同じ毒親育ちのkelokoさんだとは!嬉しかったです。
    ちょっと高価なので今は他の物を使っていますが。

    友達を募集されていますね。私は日本在住なので残念ながら応募できませんが、
    本当はお会いしてみたいです。
    これからも応援しています。

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    1. > Mさん

      はじめまして。私も「怒」があふれて止まらない時期がありました。必要な段階だと思います。同じ化粧水使われていたのですね!私もなんだかうれしいです。話を聞いてみると似たような経験をしている人は学生のころにきびに悩まされたという人が多くて、やはりストレスというのは肌に出るのだなと思いました。私は当時同僚に教えてもらってサロンに行ったのですが、そこの店員さんがかなり年配のかたでほとんど化粧もしておらず、とてもきれいな素肌をしていたのが印象的でこれを使うことに決めました。確かに高価ですよね。日本に行くことがありましたらまた日本での募集をしてみようと思っています。いつかお会いできるといいですね。

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