新しい環境へ

突然の引っ越し」で書いた通り、引っ越しをして、新しい町での生活が始まった。

その前に住んでいたところはもっと大きくて、小さいけれど自分の書斎もあり、かわいい町の中心部で、かなりいいところだった。でも、家賃が高く、身分不相応な気もして落ち着かなかった。さらには大家もまったくの自己都合で退去願いなどを出してくる人で、たぶん総合的に見て家相の悪い家だったんだと思う。出るべくして出たところだったのだと、今でも思う。

カウンセラーは、そんなに広くていいところなのに、私が必ず「でも」と言うのが気になっていたと言っていた。それもそうだ。そんな風に思っていたら、リラックスして暮らせるわけがない。それを追い出してくれた大家には、嫌なやつだとは思うけど、その一点においては感謝の気持ちでいっぱいだった。

新しい町は、しょぼいショッピングモールがあったりして、前のかわいらしいイギリスっぽい町とは全然違っていた。でも再開発が始まっていて、引っ越した新築マンションもそうだけれど、お店もどんどん新しくなって、町もモダンで近代的になっていった。

なにより、白人ばかりだった前の町と違って、移民が多いのが大きな違いだ。でもロンドンに多い柄の悪い移民とは違い、移民同士で集まってコミュニティを作っている感じで、ロンドンへ通勤しているような若いビジネスマン世代が多い。モスクや、タイの寺院もあり、インド系や中東系、アジア人も多い。外国人である私にとって溶け込みやすく、実際に暮らしている日本人も多かった。

いろいろな民族がいるとなると、それぞれの食料店があって、これが一番楽しい。インド、中東、ポーランド、イタリア、アフリカ、南アフリカまで、様々なお店があって、見て回るだけでもおもしろい。特に、インド料理は以前からとても興味があったので、ここにきてからはスパイスを調合していろいろなカレーを作るという趣味もできた。

前の町より少しロンドンに近くなったので、ロンドンへ行きやすくもなった。しかも、ロンドンから来る電車はこの町からいろいろな方向へ分かれていくので、ここまでは本数が圧倒的に多い。朝の通勤時間帯だと、ここから一駅も止まらずにロンドンへ行く特快もたくさんある。日系企業の集まっている都心へ通うことも、考えやすくなったのだ。

それまで前にも先にも行けず、鬱々として苦しかった毎日が、終わった。新しい気持ちで、なにか進んでいけるような気がしていた。

引っ越しは、大正解だった。「変化と引っ越しについて」で書いた通り、心地のいい「ベース」が用意されたので、その先を考えられるようになった。

そして、イギリスのが始まった。日が長く、暑さもちょうどいいこの一番いい季節に、バルコニーでバーベキューをしたり、近場の海に出かけたりして、夫と二人で楽しく過ごした。今思えば、このときが一番楽しかった。ここから、長く苦しい道が始まるとは、思ってもいなかった。

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