解毒の段階

たぶん人によっていろいろだと思うけれど、だいたいはこんな感じなのでは、ということを書いてみます。

第1段階:気づき

まずは、「自分の親がおかしい」と気づくところから始まると思う。みんな自分の家が普通だと思っている通り、毒親育ちでも自分の親は普通だと思っていることが多いと思う。毒親の本の中にある例を見ると、むしろ最初は「自分の親は素晴らしい」と思っている人もけっこういる。

気づくきっかけは、たぶんだいたい自分の不調だと思う。身体的に、精神的に、いろんなことがうまくいかなくなってきて、おかしいと思い始める。そして、それが親がおかしかったことが原因だと気づき始めることになる。外的なきっかけとしては、たまたま毒親に関するものを読んだりとか、アダルトチルドレンだったり虐待についてのものを読んで、自分の親に当てはまると思ったり、人から聞いて、というのもあると思う。

私の場合は、自分の家がおかしいと思ったのはけっこう早くて、もう小学校の時期には他の家とは違うと思っていた。でも、気づきが早いから早く解毒できるわけではなく、私の場合は逆に、自分に関しては「普通だ」と思っていた(毒の連鎖に気づいていなかった)だけに、困難なところが多々あった。

第2段階:否定

「おかしい」と思っても、「自分の親がひどい人間だ」とは思いたくないのが人間。カウンセリングで「ちょっとそれは親御さんおかしくないですか」と言われたりしても、「そんなことないんです」「親は私のためを思ってしたんです」と、第1段階のときのように自ら否定してしまう人もいる。

私の場合は逆に、ずーーーっとおかしいおかしいと思ってきたものの、周りに否定されてきたことがつらかったから、「それは確かにおかしい」と言われてめちゃくちゃほっとした。こういうように、否定の段階がないと思われる人もいる。特に、身体的虐待のような、誰から見ても明らかな異常性があった場合は、否定の段階がないことが多いかもしれない。

第3段階:受け入れ

否定が終わって、「親がおかしい」ということを受け入れる。ここは一気に落ちると思う。今まで信じてきたことが、全部覆される。特にその信じてきたことが「自分の親は素晴らしい」とか「あれは愛情だったんだ」というようなことだったりすると、相当落ちると思う。

私の場合ここの受け入れは、「自分がおかしい」ことに関する受け入れだった。「おかしい親のもとに育った自分もおかしくなってしまっていた」という事実の受け入れ。毒が連鎖していることに対する気づきと、受け入れ。また別に詳しく書くだろうけど、これはけっこうすごかった。今までの人生が全部ひっくり返る衝撃って、本当にすごい。今まで確かにここにあった人間が、全部崩れてなんっにもなくなってしまった。

第4段階:取り組み

問題を解決しようと取り組み始める。実家から出たり、本を読んだり、カウンセリングに行ったり、いろんなセラピーをやったり。「毒親をどうにかしたい」という思いから始まることが多いけど、最終的には自分の中に毒が入ってしまっているのを見つけ、まずは自分の回復が必要なことに気づいてくる。ここもけっこうつらいと思う。どんどん自分の中のいろんな問題が明らかになっていったり、問題の深さを見せつけられたりして、先が見えなかったり、絶望したりする。

私は、今ここ。私が試したものに関しては、詳しく書いていきます。

第5段階:回復

解毒完了。私もまだこの段階まできてないからなんとも言えないけど、たぶんものすごく完了した暁には、親を許せたりとか、会っても平気になったりとか、逆に「いい親だった」と思えるようになることもあるらしい。そんなことは今はまったく想像できないけれど。でもたぶん「完全なる完了」ってのはなくて、人間のことだから、きっとそれでもちょこちょこまた新しい発見をしたりして、生きていき続けるんだと思います。

広告

10件のコメント

  1. 私まさに今この段階です。しかも、自分に発達障害があるかもしれない事までわかって来ています。
    もしかしたら親もそうかも。

    親が発達障害で毒親だったとしたら…それはそれ、これはこれで切り分けないといけないのだろう。
    まずは自分の事を考えて良いはずですよね?たとえ親の老い先があまりないとしても。。。?

    自分の生活の立て直しを最優先にすることを分かってもらえるとは思えないが、そうすることが自分にも家族にも一番大切だということは、わかってきた気がする。まだ葛藤はあるけれど。

    なぜなら、自分や家族の方がこれからの間柄が長く、修復可能だし、これからが一番大事。

    残酷なようだけれど、人生終えようとしている人にこれ以上害を与えられるのは、我慢が出来ない。

    自分まで親と全く同じになりたくない

    いいね

    1. > ぴりかさん

      私もカウンセラーから「まず自分が回復することを考えよう、そのあとに旦那さんとどうするか、親をどうするか考えればいい」と言われました。今と回復したあとでは、どうしたいかも異なってきますしね。

      いいね

  2. はじめまして。
    興味深く読ませて頂きました。

    私も幼稚園の頃から母に違和感を持ちながら生きてきました。
    人前では良い母を演じられ、父や他者が居ない時には意地悪な母。
    小4の時に大きく裏切られ、親への信頼関係が無くなりそこから完全に母を拒否し始め、
    学校や友達は好きだったので友達との交流のみだけし、ご飯は部屋で食べたり母からの会話も無視してました。

    私が結婚して子供が生まれたら、関係は少し改善されるかもと思い母を関わらせたのが間違いでした。

    旦那には有りもしない嘘を言われたり、私の子育てには干渉し否定され、私の子供にまでママは意地悪だね等を言い洗脳しようとしてきたので絶縁しました。

    私が今悩んでいるのは、自分と子供の関係です。
    自分が産んだ可愛いはずの子供なのに、母にまた邪魔をされたり口出し否定された事で、その子供にだけ嫌な感情が出てきてしまいます。。(その子の妹にはありません)
    まるでその子供の背後に母がいるかのように、敵視したような感情になってしまいます。

    毒親の本などを何冊か読んでみましたが、
    毒親育ちの子育てでの解毒方法が分からずにいます。

    こんな私に、何かオススメの本でもありましたらご教授願いたいです。。

    いいね

    1. > りりさん

      はじめまして。もしかしたらお母様の影がりりさんの中に残っていて、お子さんを通して出てきてしまっているのかもしれませんね。私の場合は心の中の親が夫を通して出てきてしまっていたのですが、そのときに「夫は親ではない」など夫と親の違いをいくつか口に出して言ってみるよう教わって実践していました。それでもなかなか難しいものはありましたが、このように夫への対策を取りつつ、自己肯定感の回復を進めていきました。カウンセリングやアダルトチルドレンのワークブックをやってみるのもお勧めですが、心屋仁之助さんも「言ってみる」セラピーについて話していらっしゃったので、ポッドキャストや本を読まれてみてもいいかもしれません。

      いいね

      1. kelokoさん

        お返事、アドバイスありがとうございます。
        こちらからコメントしておきながらお返事遅くなり失礼致しました。

        おっしゃる通りです、、
        きっと母の影が、息子にも旦那にも(最近気づきました)あるように思います、、

        旦那が母と同じような事を言ったり、したりすると過剰に反応してしまい感情的になってしまってる自分がいます。
        旦那は物をハッキリ言うタイプなので、言われた言葉に本当は傷ついているのに怒りの感情で返してしまいます。
        私が母に対してしていた反応と同じなのです。
        旦那や息子にそれをしてしまっては逆効果になるとは分かっていながらです、、

        私が楽しくしているのも許さない母だったので(友達関係に水を刺したり何かしら邪魔をする)家の中では無口、笑顔を出してはいけない、家族や親族には心の内を明かすな、と自分だけのルールがあり
        今現在の家庭でも無意識にそうしてしまい、旦那や息子が私に気を使い家族が楽めていないのも頭では解っているのですが改善出来ない自分が情けなく悔しいです、、

        そんな自分が嫌で嫌で、、

        kelokoさんのおっしゃる、母と旦那の違い、母と息子の違いを口に出すを実践してみようと思います
        口に出す事がポイントなのかな、、と納得出来ました。
        私にはまだ洗脳や残像が残っているのかもしれませんね。
        もう一度そこに戻って自己暗示を試してみたいと思います。

        心屋仁之助さんの著書等を読み尽くしてみたいと思います。

        kelokoさんもお忙しい中、ご返信ありがとうございました

        引き続きブログ更新楽しみにしています

        いいね

  3. はじめまして。Twitterからこのサイトに来ました。今、私は第二段階と第三段階の過渡期なんだろうと思います。母方の家族から言われた、私を否定する言葉の数々。それを言った理由を母親に問い詰めると「悪気はなかった」「そう言えばアンタが奮起すると思った」「身内だからキツいことを言うのが愛情」こんな言い訳をされて、自分の足元が崩れたように感じています。
    私がだらしないから、ぼんやりしてるから、ダメな子だから、そう思って、酷く詰られたところを直しても、また新しいダメなところを見つけて嗤われる。途方に暮れてた中高生時代は無駄だったと気づいてしまいました。
    しかも、あんなに傷付いたのに、母親と同じような考え方や話し方をしている自分が嫌でたまらないです。
    自信を取り戻したいし、他人に怯えたくない。でも、どうやって直せばいいのか分からないです。カウンセリングは何回も受けたけれど、私はいつも途中でカウンセラーに怒ってしまい、治療を途中で辞めています。誰かに救って欲しいともたれ掛かってはいけないと最近気付きました。でも、毎日怒りが溢れて疲れてしまい、大学に通えてない現状をどうすればいいのでしょうね。
    夜は不安で眠れないし、授業は怖くて行けなくなってしまったし、自分が益々ダメになっていっています。

    いいね

    1. > パスさん

      はじめまして。こんなにもご自分を客観的に分析されていて、すごいと思いました。自分が親と同じことをしているなんて、どれだけやっていても気づかない人が私の周りには圧倒的多数です。自信を取り戻したい、他人に怯えたくない、すごくわかります。煮詰まったとき、私はすべてのことを放棄してみています。不安で眠れなかったら「寝なければ」と思わずにとことん起きている、といったような。こちらの記事など参考になるかもしれませんので、よろしければご覧になってみてください。

      『■うつが治ったきっかけは治そうとするのをやめた』
      http://ameblo.jp/to-kimeite22/entry-12131172269.html

      いいね

  4. Kelokoさん、はじめまして。
    一言御礼を伝えたくてコメントさせてもらいます。

    うちはモラハラ毒父、共依存の母、妹、弟の5人家族です。
    先日毒父が死去したのですが、昨年夏に毒父の病気の状況を聞き、余命がそう長くないことを悟り、
    それまでマイペースで解毒(第4段階の取り組み、ですね)を進めていたのですが、
    毒父が死ぬまでに解毒を終わらせておかないと私自身がどうなってしまうかわからない、
    という恐ろしさからここ半年程度、急ピッチで解毒を進めてきました。

    そんな中でkelokoさんのブログとTwitterに出会い、どれほど助けられたことか・・・。
    数々の気付きをいただきました。

    自分の親が狂っていることを認める、自己肯定感の低さの克服、自分への毒の連鎖を認める、
    という作業はご多分に漏れず大変でしたね。

    父親が狂っていることを認めるのは、これまでやられてきたこと、見聞きしてきたことを列挙しただけでもある程度すんなり理解できました。
    (小学生のころ連日連夜電話で母がすすり泣くまでいびり倒していたことや、上京して帰省してふと目にはいった母親の身体のたくさんの痣、子どもに対する暴力、経済的な虐待、
     自分たちが自己破産すればいいだけなのにお金の話をすると発狂するので現実的な対処は何もできずグレーゾーン金利で多額の借金を作らされる母親、私が稼ぎ出すと長文メールで自分たちの窮状を送りつけ給料をむしり取られる日々、、、そんなことを思い返すとあっさり理解できました。
     あ、初任給が出た日や結婚式の直後にも金の無心されたっけな~笑)

    自己肯定感の低さ、の克服は本当に厄介でした。
    私は傍からみるとご立派な学歴・職歴なので、「さぞかし恵まれた環境で育ったのだろう」と思われることも多く、
    これも自己肯定感の低さの克服をより困難にしてくれました。

    自分への毒の連鎖は、きっかけは忘れたのですがあるとき急に認められ、
    そこからは毒の連鎖のはけ口としてしまっていた人(自分よりも弱い立場の妹や弟など)に対する
    申し訳なさ、情けなさでいっぱいになりました。

    そして、色々と試行錯誤をしていき「ほぼ解毒できてきたかな」と感じていた矢先、毒父危篤の連絡。
    すぐに実家に帰り、病院で寝ずの晩を3日3晩つづけ、最後は私の夫も含めた家族で見送りました。

    今はとてもすっきりした気持ちです。
    結論として毒父は許していませんし今後も許す予定はありませんが、哀しい生き方の人だったんだな、
    この人も猛毒祖母と兄弟の被害者だったんだな、と受け入れることができました。
    父に対する恨みの気持ちはありません。今もないですし、病院に泊まり込んでいるときも「苦しい思いはしないでほしいな」の
    一点の気持ちだけで、恨みや呪いの気持ちなんかは微塵もありませんでした。

    受け入れることができたのはkelokoさんのブログや色々な方の経験談や書籍を参考に解毒を進めていたこと、
    夫と毒親育ちの幼馴染の親友の2名が図らずも同じ言葉を言ってくれたこと(「お父さんに”私”をこの世に存在させてくれてありがとう。おかげで自分は幸せになりました」という言葉)が大きかったかなと思ってます。

    Kelokoさん、本当にありがとうございます。
    これからもTwitterやブログの投稿、楽しみにしています。

    いいね

    1. > 五月の風さん

      こちらこそ読んでくださってありがとうございます。ご自分への連鎖を急に認められるようになられたとのこと、すごく興味を引かれました。人が変わるときってどういうときなのか、いろいろな人に話を聞きますが、みなさんそれぞれでとてもおもしろいです。私も妹がおり、彼女はもっと毒に絡め取られている感じだったのですが、私は両親からの毒だけでしたが、彼女は両親と私の三人から毒を受けていたのだとあるとき気づいたことを思い出します。やはり自分が幸せになることが解毒の最終段階ですね。楽しみに進んでいきたいと思います。

      いいね

      1. kelokoさん、ご返信ありがとうございます。

        私の場合ですが、「自分は毒親の影響下で生まれ育った最悪な人間だ」から始まり、「私は毒親とは別の人格を作り上げ、現実と未来に真剣に対峙しようとしている。だから毒親とは違う」に進み、最終的に「自分は毒親とは別人格であるが、毒親の影響を受け少なからず周囲を犠牲にしてきた」というところに行きつきました。

        色々きっかけはあったので、”これ”というのが何だったかを明言するのが難しいのですが、兄弟と真剣に話し合ったこと、毒親育ちの友人が毒の連鎖を断ち切るべく試行錯誤しながら子育てにチャレンジしていること、これまで子どもは嫌い・いらないだった自分が「別に子供はいてもいいかも、子育てと言う行為にはチャレンジしてみたい」と思うようになったことあたりが大きかったような気がしています。

        そういえば我が家、兄弟の仲と母親・子どもの中はすごく良好なんです。
        3人兄弟なのに「溺愛された毒子」みたいなのがいなくて、それが不思議だったのですが、父親の危篤・葬儀のときに溺愛された毒子は6~7つ年上の従姉ということがわかりました。

        今さら思いかえせば小さいころから何かと毒従姉と比較され、劣っていると言われてきたものでした。
        さすがに大人になってからは親も従姉が人としてダメだということも気付き、それほど言われることはなくなったのですがトラウマは消えません。
        危篤の時に病院に兄弟で駆け付けた際に毒従姉が見せたこの世のものとは思えない醜い顔と目つきは忘れられません。内面の醜さが顔に現れた、とはまさにこのことかと思いました。

        自分が幸せになる、は私も今後の人生テーマです。
        そうなることが毒ではありましたが父にも一番の供養になると思ってます。

        いいね

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください